阿佐田哲也と桜井章一と小島武夫

映画「麻雀放浪記2020」について調べていて思い出したので、阿佐田哲也氏と桜井章一氏の関係の話でも書いてみようと思います。あとちょっとだけ小島武夫さんのことも。

このお二人のことを指して雀聖と雀鬼なんて並べて言う場合もありますけど、麻雀の腕は圧倒的に雀鬼が上で次元も違う。

 

でも小説家、モノ書きとしてはおそらく阿佐田哲也さんのほうがプロであり、麻雀文化を広く世の中に広めたという功績も桜井章一氏(以降は「雀鬼」と表記します)よりも大きいのではないかと思います。

そういう意味で限って言えば、小島武夫さんの功績も雀鬼よりも大きいかもしれませんね。

「坊や哲」のモデルは阿佐田哲也じゃなく小島武夫?

「坊や哲」=「阿佐田哲也さん」だと誤解してる人も多いみたいですけど、これは本人がはっきりと否定しています。

ただし、そういうふうに読者が勘違いしてくれたら・・・みたいなことは考えていたみたいですよ(^_^;)

 

そもそも「阿佐田哲也」っていうのはペンネームでちゃんとその由来もあります。

朝まで徹夜して麻雀するのを繰り返していて 「朝だ徹夜」

これを別の文字に変換しただけですから。

 

で、麻雀放浪記の主人公を「坊や哲」として一人称でストーリーが進んでいくということで、狙いどおりかどうかはともかく、「阿佐田哲也が坊や哲なんだ」と勘違いする人がいっぱい出てしまったわけです。

そういう人が勘違いしたままで、「坊や哲」の漫画などを描いたりもしちゃっているので、いまだに誤解してしまう人も多いみたいですが、これはちょっと真面目に調べればすぐわかります。

 

一説には阿佐田さんの弟分である小島武夫さんが「坊や哲」のモデルという話もあるようですが、イマイチはっきりとはわかりません。

阿佐田哲也が雀鬼と呼ばれていた?

阿佐田哲也さんが周囲から本物の「坊や哲」だと思われていたかどうかはともかく、あまりよく知らない人は阿佐田哲也さんが麻雀を強いと思ってしまうのも無理からぬことだと思います。

「雀鬼」と呼ばれていたとかいないとか言う話もあり、それがいつしか「雀聖」とはっきりと呼ばれるようになります。

 

これは桜井章一氏が「雀鬼」として表の世界に出てきた頃とタイミング的に同じみたいですが、阿佐田哲也さんの活動が麻雀文化を広めたことによる称号みたいな感じだそうです。

まぁ、本物が出てきたらもう「雀鬼」とは呼べませんわな。

 

こんなことを書くと、お二人の関係が険悪なもののように感じてしまうかもしれませんが、そんなことはありません。お二人の関係は非常に良好だったようです。

ただ、表には出せないこととか、本当は声を大にして言いたいけど色々な事情があって言えない、というようなことを共有していたのではないかと私は思うんです。

阿佐田哲也と桜井章一の秘密

表、この場合はおもに雑誌の誌面上という意味合いになると思いますが、テレビなどの他メディアもすこしは含んでいると考えていいかと思います。

なにぶん昔の話ですので、当時の出来事や影響などの詳細まではよくわかりませんのでね(^_^;)

 

実はこのへんの複雑な事情などが(一応はフィクションとして)描かれていると思われる漫画のシーンが存在するんですよ。

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【雀鬼のあらすじ】桜井章一、人は彼のことを「伝説の雀鬼」と呼ぶ。それは桜井が、牌を握った日から一度たりとも負けたことがないからである。

 

3巻の題20話「男たちの選択」を読んでみてください。

 

◆110ページ:作家の先生は「広川武志」となっていますが、麻雀界にこれほど大きな影響を与えた人って、阿佐田哲也さんしかいません。そして阿佐田さんの本名は「色川武大」です。

 

◆162ページ:雀鬼が読んでいた新聞の広告に「麻雀無頼録」というのがありますが、「麻雀放浪記」の言い方を変えただけとしか思えません。

 

◆168ページ:「月間人間麻雀 創刊号」を良く見ると「麻雀維新軍結成宣言」とあります。これはどう考えても「麻雀新選組※」のことですよね(^_^;)

広川先生は雀神、関本は帝王となっていたりもします。

※麻雀新選組とは、阿佐田哲也、小島武夫、古川凱章の3人で結成した麻雀集団のこと。

 

「関本」が誰のことなのかははっきりしませんが、もしかしたら小島武夫さんのことかもしれません。坊や哲のモデルが小島さんならピッタリだし、スター性がどうとかいう話ともつながります。

人物名を「小島」に似せなかったのは、雀鬼または原作者、編集者が小島さんや所属団体などに対して何らかの配慮をしたということかもしれません。

 

でもこの話はあくまでもフィクションとして描かれていますから、どこからどこまでが本当なのかというのはよくわかりません。

ただ・・・麻雀界に対する雀聖と雀鬼の思いなどは、かなり真実に近い形で描かれているのではないかと私は思います。

作品に描きたかったのはその部分であって、何かを晒して暴こうとかそういう悪意からの風刺ではないでしょう。悪意があったら配慮なんてせずに「関本」じゃなく「大島武雄」とかにするはずですから。

読んでいても悪意のようなものは感じません。怒りは感じますけどね・・・。

 

大人の事情で言えないこともある。でもどうしても伝えたいことがあり、ストレートには描けない。

そういうことでしょう。

だから本当はもっと色々あったんでしょうね(^_^;)

あとがき

阿佐田哲也、小島武夫、桜井章一、このお三方について調べてみると様々な話が出てきます。

雀鬼が最初からずーっと麻雀界では異端者ですので、悪い話なんかもあるにはあるんですが、関係は良好だったようですよ。

阿佐田さんが雀鬼を紹介する時の決まり文句が「この人が本当のプロだよ」という話は有名ですし、小島さんはなんだかんだ言いつつも雀鬼と仲良しです。

 

お二人とも雀鬼の実力を良く知りつつも、大人の事情でおおっぴらには雀鬼の言うことを肯定できない・・・のはプロ団体に所属していた小島さんか。阿佐田さんは多くの誌上プロ達がいる場で雀鬼の発言※を肯定したりもしてる。

※誌上プロ達のセオリーとはかけ離れた異次元とも言えるものだった。

↓の6巻で描かれています。

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【ショーイチのあらすじ】大好きな母を麻雀のために苦しめた父。章一は麻雀を憎んでいたが、大学時代に友人に進められ、「やるからには絶対に負けない」という覚悟で始める。 (2ページ目)

 

小島さんは、

「阿佐田先生がいなかったら僕らはただの雀ゴロで終わってたんじゃないかな」

とまで言ってるんですが、それぐらい阿佐田さんの功績は大きかった。雀鬼との縁もあるけど、所属団体や阿佐田さんを裏切るわけにはいかない。

 

雀鬼もそれをよくわかっていたし、阿佐田さんのことを尊敬もしていたが、デタラメな麻雀が広まっていくのをどう思いながら見ていたのか。それでなくても雀鬼は、人よりも色々とよく見えてしまうというのに・・・。

 

阿佐田さんは、自分や誌上プロ達の麻雀が偽物だということをよく知りつつも、小さくは自分の生業のため、大きくは麻雀界の発展のため・・・。余計なことは言わないが、雀鬼の実力を認めていることを隠そうとはしなかった。

 

お三方とも大きな矛盾を抱えながら、自分の領域は守りつつそれぞれの領域には深く踏み込まないようにしていた。

たまに批判的な感じのものや、険悪になりそうなものなども見え隠れしてはいたみたいだけど、それでも基本的にはお互いにリスペクトしていた。

 

ということだったんじゃないかな?というのが私の個人的な推測です。

どこまで当たってるかは誰にもわかりませんし、もうこの世にいるのは雀鬼だけです。

雀鬼がこのへんのことを今になって語るとも思えませんし、真実は闇の中です。

どれだけ詳しく調べて証拠を並べても推測の域を出ることはありません。

 

だからこれはこのままにしておくのが良いんでしょう。

記事をお読みいただきありがとうございました。

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